各味に対する舌上の感受部位 !

 食べ物を口に入れたとき、すべての種類の味を舌上で同じように感じるわけではありません。それぞれに味に対する感覚はその味の種類によって舌の感受性が高い部位が異なっており、それぞれの味に特に敏感な舌の部分があります。

(1)辛い(Salty):塩をなめたときに感じるような辛いという感覚は主にナトリウムイオンによって引き起こされます。辛いという感覚は舌の前側部に敏感な場所があります。

(2)酸っぱい(Sour):レモンをなめたときに感じるすっぱいという感覚は酸によって起こる感覚です。すっぱいという感覚の強さは水素イオン濃度に関係しています。すっぱさは舌の側部に敏感な場所があります。

(3)甘い(Sweet):砂糖をなめたときにあまいという感覚がおこります。あまいという感覚は糖以外にも、グリコール、ケトン、アルコール、アミノ酸等さまざまな物質によって起こります。あまさに対する感覚は舌の先端部に敏感な場所があります。

(4)苦い(Bitter) :キニン、ニコチン、カフェインなどアルカロイドや窒素を含む有機物等によって起こる感覚です。 動物は特に苦いという感覚に敏感です。これはたとえば植物の毒素の多くはアルカロイドであるからであるという説があります。 苦いという感覚は舌の奥の方が敏感です。

 舌の表面には舌乳頭と呼ばれる構造があり、多数の味蕾が分布しています。
(1) 茸状乳頭(Fungiform papillae):舌の先から前3分の2に存在し、10個程度の味蕾を含みます。
(2) 葉状乳頭(Foliate papillae):舌の後側方に存在します。多数の味蕾を含みます。
(3) 有郭乳頭(Vallate papillae):舌の奥(口腔と咽頭の境界)にあります。100個程度の味蕾を含みます。

3.味覚受容器(味分子が作用する場所)