神戸のエジプト展



 神戸市立博物館へ行きましたよ。2006年の冬季オリンピックの開催地としても知られ、約90万人が住むイタリア第4の都市トリノ。ここに、ロンドンの大英博物館やパリのルーヴル美術館、カイロのエジプト博物館などと肩を並べる、世界屈指の古代エジプトコレクションを誇るトリノ・エジプト博物館があります。
 そのコレクションの歴史は古く、17世紀前半にまで遡ります。19世紀には、ナポレオンのエジプト遠征に従軍し、フランスの総領事となったベルナルディーノ・ドロヴェッティによるコレクション、および、イタリア王国の前身サルデーニャ王国に購入された資料が現在のトリノ・エジプト博物館の中核をなしています。また、1894年に同館館長に就任したエルネスト・スキアパレリは、収蔵品を更に獲得するためにエジプトに渡り、1902年から1920年の間、エジプト各地で発掘調査を実施しました。特に王家の谷と王妃の谷で王や王族の墓の造営に携わった職人たちが生活していたテーベ西岸のディール・アル=マディーナ遺跡で発見されたステラ(石碑)やピラミディオン(小ピラミッドの頂上部の石)、オストラコン石灰岩の剥片)、彫像、土器、道具類、衣装などは、当時の人々の信仰や生活を知る上で、非常に貴重なコレクションとなっています。
 本展は、同館の33,000点におよぶ膨大なコレクションの中から、イビの石製人型棺の蓋やセクメト女神像をはじめとする2メートル級の大型彫像、ミイラ、彩色木棺、パピルス文書など約120点を選りすぐり、「トリノ・エジプト博物館」「彫像ギャラリー」「祈りの軌跡」「死者の旅立ち」「再生への扉」の5章構成で紹介するものです。また同館ではオリンピックの開催に合わせて、映画「アビエーター」「スイニートッド」の美術監督としてアカデミー賞を2度も受賞したダンテ・フェレッティに依頼し、大型彫像が並ぶ彫像ギャラリーを大幅に改修し、照明と鏡を駆使した印象的な空間に仕立てています。そのドラマティックな演出を神戸会場でも再現します。5/30迄やっています、大阪には来ないそうですよ!ぜひ行ってみて下さい。