75回目の原爆の日

 長崎は9日、75回目の原爆の日を迎えた。爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では、市主催の平和祈念式典が営まれ、被爆者や遺族、安倍 首相ら800人が参列。田上富久市長は平和宣言で、中距離核戦力、全廃条約破棄など核保有国の核軍縮に逆行する動きに危機感を表明し、「今こそ核兵器廃絶は人類が自らに課した約束であることを思い出すべきだ」と訴えた。

 式典には68カ国や国連、欧州連合(EU)の代表も参列。遺族らは7月末までの1年間に新たに死亡が確認された3406人の名簿を奉安し、参列者は原爆投下時刻の午前11時2分、鐘の音に合わせて1分間黙とうした。
 田上市長は平和宣言で、核保有国による核軍縮の約束をほごにする動きや高性能核兵器の開発などにより「核兵器が使用される脅威が現実のものとなっている」と強調。来年開催予定の核拡散防止条約、再検討会議で、実効性のある核軍縮の道筋を示すよう求めた。
 各国の指導者に対しては、「相互不信」ではなく、対話による「信頼」の構築を目指すよう要請。日本政府には、核兵器禁止条約の早期署名・批准を求めた。
 また、体験を長年伝え続けた被爆者への敬意と感謝を表明するため、宣言で初めて参列者らに拍手が呼び掛けられた。

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