TRANSCENDENCE

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 主人公ウィルと妻イヴリンが取り組む人工知能の研究だった。ある日、その成果を敵視する反テクノロジー組織がウィルを襲撃。致命傷を負った彼を救おうと、妻は夫の頭脳をコンピューターにインストールすることを決意する。実験は大成功。だがサイバー空間に身を投じたウィルは、いつしか全能の力を手にし、人類の脅威となっていく・・・・・・。  彼は超越(トランセンデンス)した主人公が神となり特殊な文明を織り成していく過程を丹念に描いてみせるのだ。  科学者夫婦がそこに産業を興すと、やがて小さな奇跡が起こり、人が次々と巡礼に訪れるようになる。人口が増える。街が活気づく。そしていつしかこの聖地を守るための武装化が始まる。おそらく人類は、太古の昔よりこれと同じ栄枯盛衰を幾度となく繰り返してきたのだろう。そういった文明論をリアルに意識させてくれるフィスターの硬派な力量はあながち捨てたものではない。  また、癖のある役の多いポール・ベタニーが予想外のナイスな役柄で起用されているのも嬉しいところ。彼があんな精悍さを持ち合わせていたなんて。役名の“マックス”さながらに、本作の純度を最大限に高めてくれた功労者のように思うのは私だけだろうか。マトリックスが先駆けとなったこういう映画は、その先にはネットを繋ぎこういう事になるのでは? しかし、最後は愛という恋が終わらせるのでしょうね・・・・・・?